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あとりえ・みんなのブログ
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景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回
お家の窓にはいろいろな役割があります。

風をとりこんで換気や通風をとったり、
光をとりこんでお家の中を明るくしたり暖めたり、
いわゆる「通風採光」というやつですね。

あとりえがもう一つの大切にしているのが、
「景色を切り取る」という役割です。

お家を計画する敷地の真ん中に立って周りを見渡すと、
すてきな景色が見える方角と、そうでもない方角があります。

周りが全てすてきな景色ばっかりだったら良いのですが、
なかなかそうはいきません。

そんなとき、「すてきな景色だけ」を切り取る窓を作ります。
しかも、可能であれば、
贅沢にFIX窓(=はめごろし窓のことです)にします。

「カフェメモリーズ」の窓。
景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回_a0117794_1452974.jpg
建物の奥のちょっと暗い中にポツンと見える窓なのですが、
外のキラキラした雑木林の景色が目に入ると
思わず近づいてみたくなります。
(あ、手前にいるのは、とりやまの母と息子で、
とりやま本人ではありません)

「イロイロのイエ」の窓。
景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回_a0117794_143582.jpg
窓の中には畑と林しか見えませんが、
窓に切り取られた景色の外側には別の建物が建っています。
建物がちょうど見えないように景色を切り取っているのです。
景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回_a0117794_1452399.jpg

窓は大きく作れば作るほどいいものだとは考えていません。

効果的にすてきな景色だけを切り取るためには、
窓を大きく作りすぎないというのは
けっこう大切なポイントなのです。

窓は壁よりも断熱性能が低いので、窓が大きいと、
建物全体の断熱性能も低くなります。
また、壁が多い方が建物は丈夫になり、
室内に絵を飾ったり物を置くスペースを確保できますので、
窓を大きくしないことには、いいことがたくさんあります。

もちろん、必要な通風や採光は、
切り取り用以外の他の窓たちとも協力してきちんと確保します。
見たくない方角にも、通風採光用に窓が必要な場合は、
目線より高い位置に作るなどの工夫をします。

これは田園越しの学園都市を見渡す「晴耕雨読の家」の窓です。
景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回_a0117794_143177.jpg
キッチンに立った時に、
この絵のような景色を正面に見ることができます。
景色を切り取る窓:アイデアボックス第4回_a0117794_1425867.jpg
両側には通風用の窓が
きちんと確保されているのがわかるでしょうか。



今回ご紹介した窓たちは、
窓枠を壁と同じ白色に塗装することで存在感を消し、
景色だけが切り取られてくっきり見えるようにしています。
逆に、窓枠をしっかりと木の色を出した枠にすると、
景色が額縁に入っているように見えるフレーム効果もあります。


今回載せた以外にもたくさんの素敵な窓があるので、
2月28日(火)〜3月4日(日)開催の
「つくば・おとなりの建築家展2」で紹介しようと思っています。

つくば美術館におこしの際は、
あとりえコーナーにぜひぜひ足をお運びくださいませ〜。


とりやまあきこ
by atolie | 2012-02-24 15:22 | あとりえのアイデアボックス
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